完全予約制とスイッチングコスト

今日、親不知の抜歯をやってきました。

歯茎に埋没して無茶な方向に生えていたので、先生も苦戦したようでした。歯医者慣れしていない私もクタクタです。変なところに力が入っていたようです。

私は50になるまで虫歯がなかったのですが、そのぶん歯周病の恐れがあると言うことで、最近定期的に見てもらうことにしています。

個人的には予約ってのが苦手で、床屋もレストランも予約なしで訪問し、多かったら日を改めるか待ちます。

しかし、歯医者だけはどこも予約制なんですね。なぜでしょう?

患者側のメリットは、時間が読めるってこと。約束した時間に案内されるのはありがたいですね。

患者側のデメリットは、急を要することが少ないので特にないかも。強いて言えば、私のように縛られた感覚が嫌なこと?

病院側のメリットは、需要の平準化。急を要さないからいつでもいい。予約がないところに当てはめていけば、ほぼ満席状態で治療ができますから。

病院側のデメリットは、ほぼ無いでしょうね。強いて言えば、予約通りに進めるためのプレッシャーくらいでしょうか。

大きなデメリットもないので、完全予約制は当たり前かもしれません。

メリット・デメリットについては床屋も同じようなものでしょう。ただし、床屋の場合は予約制ばかりではありません。なぜでしょう。

これはスイッチングコストの高さだと思います。顧客がお店や病院を変えるときにかかる、経済的・非経済的費用です。

例えば、病院で考えると、病院を変えることでかかる経済的費用は、カルテがないので改めてレントゲンを撮られたり、同じ検査を受けたりする費用です。

非経済的費用は、初めての病院に対する心理的ストレスや診察からやり直す時間的手間などです。

歯医者と床屋では、この経済的・非経済的費用が異なるのではないかと思います。

歯医者って正直怖いです。先生や衛生士さんを信頼していないと安心して任せられません。もちろん、床屋も信頼が必要ですが、歯医者ほどではないのではないでしょうか。

歯医者の失敗は取り返しがつかないけど、床屋はまた生えてきますから。

ということで、歯医者の方がスイッチングコストが高いと思うのです。

あらめて床屋を考えてみると、完全予約制の床屋って、カリスマなんたらがいる店がメインですよね。1000円カットの完全予約制店舗って聞いたことないでしょ。

カリスマに切ってもらわなきゃダメって人はスイッチングコストが高いんです。だから完全予約制が通用する。

1000円カットは正直どこでもいいですから、予約制なんか面倒なことしたら他所に行きます。

完全予約制は、スイッチングコストが条件の一つにあげられそうです。と勝手にスッキリ。

と言ってるそばから、治療の痛みが。今日は、痛み止め飲んで寝ます。